西本歯科医院ブログ

2024.03.20

虫歯があってもホワイトニングできる?

虫歯があってもホワイトニングできる?

歯に関する悩みは人それぞれですが、よくある悩みとして「歯を白くしたい」と考える方は少なくありません。
そこでおすすめなのが「ホワイトニング」という手法なのですが、もし虫歯がある方はちょっと注意が必要です。
そこで今回は、ホワイトニングと虫歯の関係について解説します。

虫歯があってもホワイトニングは利用できるのか?

そもそも「ホワイトニング」とは、基本的な仕組みとしては特殊な薬剤を歯に塗布することによって、歯の白さを実現する手法のことです。
大別すると、歯科医院での施術を受けるのが中心となる「オフィスホワイトニング」と、ご自宅での薬剤塗布が中心となる「ホームホワイトニング」に分かれます。
いずれの手法もメリット・デメリットがありますので、歯科医院でその効果をきちんと把握したうえで、どちらの手法を利用するのか、あるいは両方とも利用する「デュアルホワイトニング」という手法を利用するのかを選択しましょう。
さて、この手法は基本的にですが、技術的に虫歯治療と競合するわけではありません。
つまり、技術的な話だけすれば、虫歯治療とホワイトニングを並行して利用するということは可能なのです。
ですが、歯科医師の立場としては、ホワイトニングと虫歯治療を同時に進めることはおすすめできません。
一般的には、虫歯を患っている方がホワイトニンぐを希望する場合は、先に虫歯を治療してからホワイトニングをスタートすることになります。

ホワイトニングより先に虫歯治療を済ませる理由

前述のとおり、技術的には不可能ではないとはいえ、虫歯がある場合はホワイトニングをする前に虫歯を治療することになります。
そこには、いくつかの明確な理由があるのです。

薬剤がしみる可能性が高い

1つ目の理由は「ホワイトニング用の薬剤が虫歯にしみる可能性がある」という点です。
ホワイトニングでは、歯にしみる可能性がある薬剤を歯に塗布することになります。
しみ方は個人差があるものの基本的には我慢できないほどの感覚ではないでしょうが、虫歯がある場合は大きな問題になりやすいのです。
虫歯の影響で歯茎に炎症ができていたり、神経が露出している場合だと、その部分に薬剤が及んでしまい、強くしみてしまったり強い痛みを感じてしまう可能性があります。
もちろん痛みの感じ方には個人差があるものの、人によってはこの痛みに耐えられなくなってしまい、治療の継続が困難になってしまう可能性があるのです。

虫歯が進行してしまう

2つ目の理由は「虫歯が進行してしまう」という点です。
何らかの理由で仮にホワイトニングを先に済ませてしまうというケースがあるとします。
この場合、ホワイトニングの最中にどんどん虫歯が進行してしまう可能性が高いのです。
通常、ホワイトニングは十分な効果が表れるまでに1~3か月ほどかかり、オフィスホワイトニングのほうが短期間で効果が出やすいとはいえ最低でも1か月、2~3回の通院が必要になります。
数か月も経過すると虫歯も進行しやすくなってしまうため、ホワイトニングの途中で虫歯が重症化し、痛みに耐えきれずに虫歯治療を希望するケースも出てくるでしょう。

治療用の仮詰めがとれてしまう

3つ目の理由は「虫歯治療用の仮詰がとれてしまう」という点です。
虫歯治療は基本的に1回の通院では治療を完了させられませんから、何度か通院していただくことになります。
治療方法は虫歯の状態によって異なりますが、重度の場合は歯を大きく削って治療をしなければなりません。
1回1回の通院はある程度の間隔をあけますので、その間に歯の内部や神経部分を保護するため、仮の詰め物・被せ物をして保護します。
しかし、ホワイトニングを並行して行うと、ホワイトニング用の薬剤が影響してこの詰め物がとれてしまう可能性があるのです。
この詰め物は患者さん自身が簡単に直せるものではありませんので、すぐに歯科医院で元の状態に戻してもらう必要があり、手間がかかります。

ホワイトニングのためにも虫歯治療は早めがおすすめ

もし、虫歯に悩んでいる方がホワイトニングを利用したいと思うのであれば、早めに虫歯治療を受けることをおすすめします。
理由は、重症化するとさまざまなデメリットが発生することになるからです。
まず、神経を抜く必要があるほど重症化している場合、治療後のホワイトニングの効果が出にくくなります。
歯の神経を抜くと歯がどんどん黒ずんでいき、歯の内部にも影響することにより仮にホワイトニングで表面を白くしても内部の色までは白くできません。
次に、虫歯治療の期間が長くなるからです。
虫歯治療にかかる期間は個人差がありますが、基本的に軽症なほど短い期間で治療が完了します。
少しでも早くホワイトニングを始めたいと思うのであれば、早く治療が完了する可能性が高いうちに虫歯治療を開始することが重要なのです。

まとめ:虫歯治療してからホワイトニングが鉄則

ホワイトニングを利用したいとしても、虫歯がある場合は先に虫歯治療を済ませる必要があります。
少しでも早く虫歯治療が終われば、その分だけホワイトニングも早く始められますので、早めに歯科医院に相談して虫歯を治してもらいましょう。

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この記事の著者

院長・歯科医師 西本雅英

院長・歯科医師 西本雅英

略歴

平成2年

大阪大学歯学部卒業
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了

平成9年4月

西本歯科医院開業
所属学会

日本歯科審美学会

大阪大学歯学部同窓会学術委員会副委員長

日本顎咬合学会

日本歯科無痛治療協会

日本顕微鏡歯科学会

アートオブデンタルエステティック

京阪神咬合臨床研究会