西本歯科医院ブログ

2024.06.20

正しい歯の磨き方を歯科医が解説します

正しい歯の磨き方を歯科医が解説します

歯磨きは、手軽にできるデンタルケアであり、習慣づけることで虫歯や歯周病などの口腔疾患のリスクを抑えてくれます。
しかし、正しく歯磨きでいていないと、デンタルケアとしての効果は薄く、毎日歯磨きしていても虫歯や歯周病などになってしまう可能性があるのです。
そこで今回は、正しい歯磨きのテクニックについて解説します。

歯磨きの質が良くないとどうなる?

仮に毎日歯磨きをしていたとしても、それが正しくない方法で歯磨きとしての質が低い場合だと、虫歯や歯周病のリスクを抑えることはできません。
正しくない方法で歯磨きを続けていると、随所に磨き残しが発生してしまいます。
一見するとしっかりと磨けているようにも見えるのですが、歯ブラシが届きにくい場所を中心に磨けていない箇所が発生していると、そこに歯垢や歯石が発生して口内細菌が増殖、それが虫歯や歯周病の原因になるのです。
「毎日、歯磨きを続けていたのに虫歯になってしまった!」という経験がある方は、正しく歯磨きできていなかったがために磨き残しが発生し、細菌が増殖したことで虫歯になってしまったものであると考えられます。
歯や歯茎の健康を守るためには、磨き残しが発生しない正しい歯の磨き方をマスターする必要があるのです。

歯磨きの質を高めるテクニック

正しい歯磨きは、正しい磨き方を熟知し、意識してそれを継続する必要があります。
歯磨きの質を高めるために、以下の内容を実践してください。

ブラッシングは力を入れすぎない

歯を綺麗にしたいという思いから、つい歯ブラシに力を入れて強めにブラッシングしている方も多いでしょうが、正しい歯磨きでは強すぎるブラッシングはむしろ効果を低下させてしまいます。
力を込めてブラッシングしてしまうと、歯ブラシのブラシ部分の毛先が寝てしまい、歯垢をしっかりとからめとることができなくなってしまいます。
そのため、ブラッシングの際には力を入れすぎず、毛先が立っている状態で歯を磨くようにしてください。

ブラシの角度にこだわる

ブラッシングをする際には、ブラシを歯に当てる際の「角度」にもこだわる必要があります。
まず、歯の側面を磨く際には、歯に対してブラシを直角に当ててください。
斜めになってしまうと磨き残しが発生するリスクが高まります。
次に、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」と呼ばれる部分をきれいにするため、今度は45度の斜めの角度でブラッシングを行いましょう。
これにより、歯周病の原因となる歯周ポケットでの細菌の増殖を抑えることができます。

2本ずつ細かく磨く

磨き残しのリスクを抑えるため、ブラッシングは2本ずつ磨くことを心がけましょう。
2本の歯に対して歯ブラシを小刻みに動かして、丁寧に磨いてください。
1か所につき20回のブラッシングを目安にして、多少時間がかかっても丁寧に磨きましょう。

歯並びが悪い場合は1本ずつ磨く

歯並びがでこぼこになっている場合、横方向に歯ブラシを動かしてブラッシングすると、へこんでいる部分にブラシが届かない可能性があります。
そのため、歯並びが悪い場合、磨けない歯に対しては1本ずつ対応し、歯ブラシを縦方向にしてブラシを当ててブラッシングしてください。

歯の間もしっかりと磨く

歯垢は歯の表面に付着するだけでなく、歯と歯の間にも溜まってしまいます。
歯と歯の間は通常のブラッシングでは歯垢を取り除くことが難しいため、「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」とった道具を使ってきれいにしましょう。

できれば毎食後、とくに寝る前の歯磨きは重要

歯磨きは、可能であれば毎食後、食後時間を開けずに行うことをおすすめします。
しかし、歯の専門家の中には、1日1回でも十分だという考え方もあります。
1日の中でとくに重要視されているのが、「寝る前の歯磨き」です。
寝ている間は、口の中を洗浄する作用のある唾液があまり分泌されないため、細菌が繁殖しやすい状況にあります。
そのため、寝る前に少しでも口の中を清潔にしておくことで、細菌のよる影響を抑える効果を期待して、他の時間よりも時間をかけて丁寧に歯を磨くことをおすすめします。

正しい歯の磨き方は歯科医院で教わろう

どれだけ意識していても、目に見えない部分にアプローチするため、本当の意味で正しい歯磨きを実践することは簡単なことではありません。
そのため、正しい歯磨きのテクニックを知るためには、歯科医院で指導を受けることが重要です。
歯の健康のプロの目線であなたの歯の状態をチェックして、治療の必要の有無を判断したうえで歯並びの状態などを考慮してブラッシングの指導をしてくれます。
歯ブラシや歯磨き剤、歯間ブラシの選び方などもアドバイスしてくれますので、日常的な歯磨きの質を大幅に高めることができるでしょう。

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まとめ:正しい歯磨きは歯科医院でマスターしよう

正しく歯磨きができれば、日常的な歯磨きを継続するだけで虫歯や歯周病のリスクを抑えることができます。
歯科医院では歯磨き指導を受けることができますので、歯磨きの質を高めるためにも定期的に歯科医院に通院する「予防歯科」の意識を高めてください。

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この記事の著者

院長・歯科医師 西本雅英

院長・歯科医師 西本雅英

略歴

平成2年

大阪大学歯学部卒業
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了

平成9年4月

西本歯科医院開業
所属学会

日本歯科審美学会

大阪大学歯学部同窓会学術委員会副委員長

日本顎咬合学会

日本歯科無痛治療協会

日本顕微鏡歯科学会

アートオブデンタルエステティック

京阪神咬合臨床研究会