日本人の歯を失う原因の1つと言われているのが「歯周病」です。
歯周病の原因は、細菌によるものですが、歯周病になるとさまざまな症状が見られます。
今回は、歯周病を腫れ・色・出血などの症状別に詳しく見ていきましょう。
目次
歯周病は細菌によって引き起こされる病気
歯周病の症状について解説する前に、簡単に歯周病がどのような病気であるか、について解説します。
歯周病は、細菌によって引き起こされる病気です。
歯ぐきに炎症が起こるだけでなく、歯を支えている骨を溶かしてしまう怖い病気。
病気が進行すると、歯を失うこととなってしまいます。
また、歯を失うだけでなく、全身にも大きな悪影響を及ぼし、病気を誘発するリスクもあるのです。
歯周病の症状について
歯周病の厄介なところは、初期の段階ではほとんど自覚症状が出ないということです。
そのため、歯周病に気づきにくいと言われています。
しかし、進行するにつれてさまざまなサインが出てくるのです。
歯周病では、このサインを見逃さないようにすることが重要となります。
とくに、注意しておきたいサインは3つです。
「腫れ」「色」「出血」の3つ。
それぞれの症状について解説します。
腫れ
歯周病でよく見られる症状の1つが「腫れ」です。
この腫れとは、歯ぐき(歯肉)が赤く腫れてしまうという症状です。
歯ぐきが腫れているのを見つけたら、歯周病を疑った方がよいでしょう。
歯ぐきの色
それから、わかりやすい症状として挙げられるのが、「色」についてです。
健康的な状態では、歯ぐきが薄いピンク色をしていますが、赤くなっている場合には注意が必要となります。
色の変化は歯周病を見つけるためのサインとして、わかりやすいので、しっかりとチェックしておきましょう。
出血
もう1つわかりやすいサインとして挙げられるのが「出血」です。
歯磨きをしている際に、ちょっとした刺激で出血してしまうというもの。
細菌の影響によって、歯ぐきが腫れた状態になっていると、出血しやすくなります。
ですから、朝や夜など歯磨きをした際に出血した場合には、歯周病を疑うようにしましょう。
出血をした場合でも、それほど強い痛みを感じない場合もあります。
痛みがないからと言って放置してしまうと、どんどんと歯周病が進行してしまうでしょう。
腫れ・色・出血など、通常とは違うことに気づいたら、早めに歯科医院で診察や治療を受けることが大切です。
歯周病は自然治癒することはない
歯周病の場合には、自覚症状が出ないことが多く、そのまま放置してしまう人もいます。
ですが、放置してしまうと進行の程度は人によって異なりますが、どんどんと進行してしまうのです。
歯周病は、自然治癒することはないと言われているため、放置するのは非常に大きなリスクとなります。
腫れ・歯ぐきの色の変化・出血など、歯周病の疑いがある症状が出たら、歯科医院に早めに行くことが大切です。
歯科医院で行われる歯周病治療について
歯科医院で行われる歯周病治療について歯周病は、自然治癒することはないため、歯科医院での治療が必要となります。歯科医院で行われる治療は、歯周病の進行状況・程度によっても異なるのです。具体的には、次のような治療があります。
- 歯垢や歯石の除去
- 歯の噛み合わせの調整
- 外科治療
一般的な治療では、原因となる歯垢や歯石の除去が行われます。また、歯の噛み合わせが悪いと、歯磨きをしても汚れが残り、歯周病や虫歯などにつながるリスクがあるため、噛み合わせの調整を行う場合もあるのです。さらに、歯周病が進行してしまっている場合には、外科治療が行われます。外科治療では、歯ぐきを切開して、奥に入り込んでしまった汚れなどを取り除くのです。その他では、歯周組織を再生させるために、「歯周組織再生療法」が行われる場合もあります。
歯周病を防ぐためのポイントはセルフケアと定期的な歯石除去
歯周病が進行してしまうと、大切な歯を失ってしまうことになります。
歯周病を予防するためには、毎日の歯磨き(セルフケア)と歯科医院での定期的な歯石除去が有効です。
基本的には、食事の後の歯磨きを正しく行うことが大切ですが、セルフケアだけでは除去できない場合もあります。
また、歯磨きについてですが、正しく行えている人はそれほど多くありません。
歯ブラシの選択方法やブラシの当て方、ブラシの動かし方なども学ぶとよいでしょう。
歯科医院では、歯磨き指導を行っていますので、プロの歯磨き方法を知っておくと、歯周病予防として役立ちます。
まとめ
歯周病はとても怖い病気ですが、自覚症状が初期の場合では見られず、歯周病であることに気づくのが遅れてしまうことがあるのです。
腫れ・色の変化・出血など歯周病が疑われるようなサインが出たら、すぐに歯科医院で診察や治療を受けるようにしましょう。
サインを見逃してしまうと、どんどんと進行してしまい、大切な歯が失われてしまうリスクがあります。
歯周病の予防には、毎日の歯磨きや歯科医院での定期的な歯石除去が有効です。
この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会