西本歯科医院ブログ

2024.10.10

虫歯治療における麻酔の役割と使用後の注意点

虫歯治療における麻酔の役割と使用後の注意点

歯科医院での虫歯治療では、「麻酔」を使って治療が行われることが多くなっています。
では、麻酔の役割とはどのようなものなのでしょうか?また、麻酔を行った後の注意点についても解説。

虫歯治療で麻酔を使うケースについて

歯科医院での虫歯治療では、麻酔を使うケースがあります。
具体的には、次のようなケースです。
「虫歯が進行して、痛みなどを伴っている状態」。
虫歯の初期段階で、痛みや出血などを伴っていない状態であれば、麻酔を使用しなくても治療を行うことができます。
しかし、痛みを伴っている状態では、治療を行う際にさらに痛みを感じてしまう可能性が高いため、麻酔を使用して治療を行うことになるのです。
また、抜歯を行う際も麻酔を使って行います。

麻酔の役割は痛みを緩和すること

麻酔の役割についてですが、麻酔の役割は、「治療の際の痛みを緩和すること」です。
虫歯の治療では、歯を削ることがありますが、その際に強い痛みを感じる場合があります。
患者さんの痛みを緩和するために、麻酔を使用するのです。

それから、もう1つの役割として挙げられるのが、虫歯治療に対しての不安または緊張などを和らげるという役割になります。
麻酔を行うことで、痛みはもちろんですが、患者さんのさまざまな負担の軽減にもつながるのです

歯科医院で行われる麻酔について

一口に麻酔といっても、いくつかの麻酔があります。
歯科医院での虫歯治療では、次のような麻酔が一般的です。

表面麻酔

表面麻酔とは、麻酔薬を歯茎の部分に塗布する麻酔のことで、麻酔薬を塗布することで表面を麻痺させます。
一般的には、局所麻酔を行う前に行われており、表面麻酔を行うことで、痛みや不快感の軽減などの効果を期待することができるのです。
麻酔と聞くと、注射器を使って麻酔をするイメージが強いですが、表面麻酔についてはジェルタイプのものがよく使われています。
ジェルを表面に塗布するだけなので、痛みなどを感じることもないでしょう。

局所麻酔

局所麻酔は、表面麻酔とは異なり、注射器の注射針を使用して、麻酔薬を投与し、歯の神経を麻痺させるものになります。
事前に表面麻酔を行うことで、表面が麻痺しているため、注射針により痛みが軽減されており、痛みを感じることも少ないといえるでしょう。
さらに、歯科医院によっても異なりますが、極細の針を使用する、麻酔薬の温度に注意することで、麻酔に伴う痛みを軽減しています。

治療後もしばらくは麻痺した状態が続く

麻酔を使用した虫歯治療では、治療後にも注意が必要です。
麻酔の効果は、治療が終了しても継続しています。
そのため、麻酔の効果によって、麻痺している状態が続くので、舌を噛んでしまう、火傷をしてしまうなどの可能性があるのです。

麻酔の効果が続いている間は、食事を控えるようにしましょう。
大きな怪我などにつながる恐れがあります。

麻酔の効果が切れるまでの時間には個人差がある

麻酔後に患者さんが気になることといえば、「麻酔の効果が切れるまでの時間はどのくらいなのか?」ということです。
結論から言えば、麻酔の効果が切れるまでの時間は、使用した麻酔の量や種類などによっても異なりますし、個人差があるため一概には言えないということ。
一般的には、1時間から3時間程度で効果が切れることが多いですが、あくまでも目安にしかなりません。
効果が切れるまでの時間は個人差があるということを覚えておきましょう。

不安な点は事前に歯科医師に相談しておく

それから、虫歯治療において麻酔を使うことに不安があるという場合には、事前に歯科医師に相談しておくのがおすすめです。
例えば、以前に麻酔によって気分が悪くなったことがあるという場合や持病があるなどの場合。
事前に歯科医師に相談することによって、麻酔の量を変更する、あるいは使用する麻酔の種類を変更するなどの対応ができる可能性があります。

副作用について

麻酔薬で注意しておかなければならないのが、副作用についてです。
ほとんどの場合、大きな問題はありませんが、人によっては麻酔薬に含まれている成分に対して、ショック症状があらわれる場合もあります。
また、激しい動機や気分が悪くなる、嘔吐、手足の震えなどが起きる場合もあるのです。
薬なので、副作用の可能性が0とは言い切れません。
そのため、麻酔後に体に変化を感じる、気分が悪くなったなどの場合にはすぐに歯科医師やスタッフに申告するのがよいでしょう。
無理に我慢するのではなく、すぐに申告することが大切です。

まとめ

歯科医院での虫歯治療では、麻酔を使うケースがありますが、これは痛みを緩和する、患者の負担を軽減するなどの役割があります。
麻酔後は、しばらくの間麻痺している状態が続くので、効果が切れるまでは食事を控えるようにしましょう。
食事をすると大きな怪我のリスクがあるためです。
また、麻酔に対する不安がある場合には事前に歯科医師に相談しておくとより安心して治療を受けることができます。

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この記事の著者

院長・歯科医師 西本雅英

院長・歯科医師 西本雅英

略歴

平成2年

大阪大学歯学部卒業
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了

平成9年4月

西本歯科医院開業
所属学会

日本歯科審美学会

大阪大学歯学部同窓会学術委員会副委員長

日本顎咬合学会

日本歯科無痛治療協会

日本顕微鏡歯科学会

アートオブデンタルエステティック

京阪神咬合臨床研究会