歯科医院で虫歯治療を終えると、ホッとした気持ちになりますが、同時に不安になることもあります。
それは、「虫歯が再発してしまったらどうしよう!」ということです。
今回は、虫歯が再発してしまう原因や虫歯の再発予防策について解説します。
目次
虫歯が再発する主な原因
虫歯の再発予防策について解説する前に、知っておきたいのが虫歯が再発する主な原因についてです。
原因を知っておくことで、対策を行うことができます。
歯磨きを適切に行っていない
虫歯が再発してしまう大きな原因は、歯磨きが不十分であることです。
自分では、しっかりと磨けているつもりでも、歯の隙間や奥、裏側などがしっかりと磨けていないケースが多くなっています。
このような汚れを放置してしまうと、虫歯の原因となるのです。
一般的に、1度虫歯になってしまった歯は、他の健康な歯と比較すると、虫歯になりやすいので、しっかりとケアを行うことが必要となります。
補綴物が劣化してしまう
虫歯治療では、補綴物を使って治療を行うことが多いのですが、この補綴物は永久に使用できるものではありません。
徐々に劣化していきます。
治療後は、隙間もなく、しっかりと機能していても時間の経過と共に劣化していき、隙間が生まれてしまうことがあるのです。
隙間ができてしまうと、そこから虫歯菌が侵入してしまい、虫歯が再発してしまうリスクがあります。
補綴物の中でもよく見かけるのが銀歯ですが、銀歯は汚れが付きやすく、虫歯が再発してしまうリスクがあるので注意が必要です。
補綴物を使用した治療では、再発してしまう可能性があることを頭に入れて、日々のケアをしっかりと行いましょう。
油断
患者さんの多くは、虫歯治療が終わると、「虫歯が治ってよかった!」「これでまた好きな物を美味しく食べることができる!」と安堵すると思います。
たしかに、虫歯の治療が終わると安堵したくなる気持ちはわかるのですが、治療が終わったからといって油断してしまうと、虫歯が再発するリスクが高まるのです。
とくに、虫歯が治ったから今日は歯磨きをしなくてもよいだろう、など本来やるべきケアを怠ってしまうと、虫歯になってしまいます。
治ったから終わりではなく、治療が終わった後も油断せずに、丁寧なケアや定期的な検診を忘れないようにしましょう。
虫歯の再発予防策について
虫歯の治療が終わると多くの患者さんは安心すると思いますが、虫歯は再発させないことが重要です。
虫歯が再発してしまうと、治療費もかかりますし、歯科医院に通わなければなりません。
また、最悪の場合には、歯を失うことになってしまうかもしれないのです。
では、虫歯の再発を予防するためには何をすればよいのでしょうか?
歯磨きを行う
再発予防策として挙げられるのは、セルフケアを行うことです。
セルフケアとは、歯磨きのことで、正しいブラッシングを行い、磨き残しがないように磨くことで虫歯の予防になります。
歯磨きが不十分、歯磨きを行わない、などの状況では、虫歯菌にとって快適な環境となってしまい、虫歯が再発するリスクを高めることになるのです。
歯科医院での定期的な検診
それから、セルフケアと共に重要となるのが、歯科医院での定期健診。
セルフケアは重要ですが、セルフケアではどうしてもケアできない場合もあります。
とくに、歯の隙間などには歯垢がたまりやすく、自分では対応できないことがあるのです。
そのため、定期的に歯科医院で定期健診を行い、プロにしっかりと歯垢除去を行ってもらい、虫歯を予防しましょう。
また、定期的に歯科医院で検診を受けることで、虫歯の早期発見にもつながります。
万が一、虫歯が再発してしまった場合でも早期発見・早期治療が行えるというメリットもあるのです。
食生活の改善
その他で重要となるのが、食生活の改善。
糖分を多く摂取する、あるいは間食をするという場合には、虫歯が再発するリスクが高まります。
食生活を見直して、糖分の摂取を控える、間食を控えるという習慣を身につけるとよいでしょう。
制限するだけでなく、毎日の食事の時間を決めるようにするのも効果的です。
また、食事の際にはよく噛んで食べることも大切。
よく噛んで食べることで、唾液の分泌が促されると言われています。
唾液には、さまざまな作用があり、この作用によって虫歯を予防することができるのです。
唾液の作用として知られているものには、食べかすなどの汚れを洗い流す浄化作用、歯垢の発生を抑制する殺菌作用、溶けてしまった歯の成分を修復させる再石灰化作用などがあります。
まとめ
虫歯が再発してしまう原因は、歯磨きが十分でないこと、補綴物の劣化、油断などです。
虫歯の再発を防ぐための予防策としては、歯磨きをしっかりと行うこと、定期的な検診を受けること、食生活を見直すことなどが挙げられます。
虫歯が再発すると、治療費もかかりますし、最悪の場合には歯を失ってしまう可能性もあるので十分注意しましょう。
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この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会