副鼻腔炎によって、歯が痛くなってしまうことがあります。
では、どうして歯が痛くなってしまうのでしょうか?
今回は、痛みの原因と痛みが出た場合の対処法について解説します。
目次
痛みの原因
副鼻腔炎によって、歯が痛くなる原因は次のようなものです。
まずは、痛みの原因について知っておきましょう。
炎症
歯が痛くなる大きな原因は、炎症による影響です。
上顎洞が炎症を起こすと、その炎症の影響によって痛みを生じることがあります。
上の奥歯に痛みを感じるという場合には、炎症の影響による痛みと考えることができるでしょう。
とくに、上の奥歯の根の部分が副鼻腔に入り込んでいることが多いため、炎症が起きた場合に、根の部分から伝わり、痛みを感じることがあります。
複数の歯が痛むのも特徴
歯が痛むという場合、虫歯を疑うケースが多いですが、虫歯との大きな違いとして挙げられるのが、複数の歯が同時に痛くなるというものです。
歯の根が隣接しているため、痛みが複数の歯に伝わってしまいます。
複数の歯が同時に痛むという場合には、虫歯ではなく副鼻腔炎による痛みが疑われるでしょう。
痛みが出た場合の対処法について
歯が痛いという場合には、そのまま放置するのは良い選択とは言えません。
適切な対応を行うことが大切です。
原因を特定するために専門医の診察を受ける
まず大切なことは、歯の痛みの原因をしっかりと特定することです。
痛みの原因を特定するには、個人で行うのは難しいですし、正しい判断ができるとは限りません。
そこで重要となるのが、専門医に診てもらうということです。
副鼻腔炎による痛みであれば、耳鼻科で専門医による診察・治療を受けましょう。
副鼻腔炎の治療では、抗生物質による治療や炎症を抑えるための薬を使った治療が一般的です。
また、痛みの原因が歯にあるという場合には、歯科医院に行き診察・治療を受けることが大切です。
副鼻腔炎は、虫歯菌によって引き起こされてしまう場合もあります。
ですから、副鼻腔炎はもちろんですが、虫歯や歯周病を放置しないことも重要です。
冷やす
日中であれば、すぐに専門医に相談することができますが、痛みが出るのが日中とは限りません。
その他にも、夜間に痛みが出る場合や仕事中に痛みが出る場合なども考えられます。
このような場合には、すぐに専門医に診てもらうのが難しいため、別の対処法について知っておきましょう。
その対処法として挙げられるのが、「冷やす」ことです。
痛みが出た場合で、すぐに受診できない場合には、一時的に痛みをやわらげる方法として冷やすのがよいでしょう。
注意しておきたいのは、冷やすのはあくまでも一時的な処置ですので、効果は一時的なものと考える必要があります。
また、冷やし過ぎてしまわないようにすることも大切です。
鎮痛薬を服用する
それから、冷やす以外でできる対処法としては、ドラッグストアなどで販売されている鎮痛薬を購入して服用するという方法があります。
鎮痛薬を服用することで、一時的に痛みをやわらげるという効果を期待することができるでしょう。
ただし、市販の鎮痛薬を購入して服用するという方法は、根本的な治療にはなりません。
さらに、長期的に服用を続けるのはさまざまなリスクがあります。
あくまでも、専門医に診てもらうまでの一時的な対処法として考えておきましょう。
鼻の内部を洗浄する(鼻うがい)
その他には、鼻の内部を洗浄する鼻うがいという方法もあります。
鼻うがいとは、そのままの意味で鼻の中を洗い流すことができ、鼻の中の雑菌や汚れを取り除くのに役立つでしょう。
また、洗い流すだけでなく、鼻の中をすっきりさせるという効果も期待することができます。
ただし、こちらもやり過ぎには注意が必要です。やり過ぎてしまうと、刺激が大きくなり逆効果となってしまう場合もあります。
飲酒を控える
アルコールには、血管を拡張させる働きがあると言われていますので、飲酒をするとアルコールによって血管が拡張して、副鼻腔炎を悪化させてしまうことがあるのです。
歯に痛みを感じている場合、その痛みを紛らわすために、飲酒をしてしまう人もいると思いますが、飲酒が逆効果となってしまう場合があります。
そのため、飲酒は控えるようにしましょう。
鼻をかむ
副鼻腔内には、雑菌や膿などが溜まってしまいますので、それを排出するために鼻をかむのも対処法の1つです。
いくつかの対処法について紹介しましたが、最もよいのは耳鼻科や歯科などの専門医に診てもらうことですので覚えておきましょう。
まとめ
副鼻腔炎によって歯が痛くなってしまうことがあります。
これは炎症の影響が歯の根などから伝わるためです。
歯が痛くなってしまった場合には、専門医の診察や治療を受けることが重要となります。
すぐに受診できない場合には、冷やすもしくは市販の鎮痛薬を服用するなどの対処法もありますので覚えておきましょう。
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この記事の著者
院長・歯科医師 西本雅英
平成2年
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了
平成9年4月
日本歯科審美学会
日本顎咬合学会
日本顕微鏡歯科学会
京阪神咬合臨床研究会