西本歯科医院ブログ

2024.11.20

女性は歯周病リスクが高いって本当?その理由を解説

女性は歯周病リスクが高いって本当?その理由を解説

虫歯よりも怖いものと言えば、「歯周病」が有名です。
この歯周病についてですが、男性よりも女性の方がリスクが高いということを知っていますか?
今回は、その理由について解説します。

女性の方が歯周病のリスクが高い理由

一般的に、男性よりも女性の方が、歯周病リスクが高いと言われていますが、そこには複数の理由があるのです。
主な理由について見ていきましょう。

女性ホルモンの関係

まず、大きな理由として挙げられるのが、「女性ホルモン」です。
女性は妊娠中、エストロゲン(女性ホルモン)などの分泌量が増えると言われていますが、これを栄養としている歯周病菌がいます。

栄養となる女性ホルモンが増えることによって、歯周病菌にとって活動しやすい状況となり、増殖してしまうことがあるのです。
そのため、妊婦さんの場合、歯周病の初期症状として知られている、歯肉炎になりやすいので注意が必要となります。

それから、妊娠中は体調がすぐれずに、十分なオーラルケアができないということもあるでしょう。
このような理由でも歯周病のリスクが高くなってしまうのです

更年期にも注意

女性が男性よりも歯周病のリスクが高いのは、女性ホルモンが大きく関係しているからと解説しました。
女性ホルモンが大きく変化するという点で、妊娠中の話をしましたが、それ以外にも大きく変化することがあります。
それは、更年期です。

更年期を迎えた場合には、妊娠中とは逆に女性ホルモンが減ってしまうことが知られています。
そして、女性ホルモンの減少によって、骨粗しょう症のリスクが高まるのですが、同時にあごの骨も弱くなってしまうのです。
弱くなってしまうと、歯を支えることができなくなってしまうので、リスクが高まります。

また、女性ホルモンが減り、唾液の分泌も減ってしまうことから、口が乾きやすくなってしまうのです。
知っている方も多いと思いますが、唾液には自浄作用など口の中を清潔に保つための役割があります。
口が乾いた状態のままになると、口の中の菌にとって良い環境となってしまうため、菌が増殖してしまうことがあります。
そのため、歯周病のリスクが高まるのです

歯周病を防ぐためにできることとは?

女性ホルモンの影響によって、男性よりも女性の方が歯周病のリスクが高いと解説しました。
では、歯周病を防ぐためにできることとはどのようなものなのでしょうか?
次のような対策があります。

セルフケアを行う

まず、歯周病を防ぐためには、毎日のセルフケアが最も大切です。
しっかりとセルフケアを行うことで、歯周病のリスクを小さくすることができます。
セルフケアは正しい方法で行わないと効果を期待することができません。
歯科医院などで正しいセルフケアについて相談してみるとよいでしょう。

定期的に歯科医院で検診を行う

セルフケアとともに重要となるのが、定期健診です。
歯周病が気づかないうちに進行してしまうという可能性もあります。
そのため、定期的にプロの目でチェックしてもらい、早期発見・早期治療を行うのがよいでしょう。
また、妊娠中は歯周病のリスクが高まりますので、虫歯や歯周病などは妊娠をする前に治療しておくのがおすすめです。

禁煙

喫煙者の場合には、禁煙も歯周病を防ぐのに役立つと考えられています。
禁煙をすることで、細胞や免疫などの働きを高めることができ、歯ぐきの状態も回復するので、リスクを小さくすることができるでしょう。
喫煙者の場合は、禁煙について考えてみるのもおすすめです。

食生活の改善

それから、毎日口に入れるものについても、しっかりと見直す必要があります。
どんなにセルフケアを行っていても、食事に関する意識が低いと、歯周病のリスクを下げることができません。
そのため、歯周病の予防を考えた食事を行いましょう。

例えば、免疫力を高めるためにはビタミン類をとるのがよいですし、歯を支える骨を丈夫にするという点では、カルシウムをとるのがよいと考えられます。

反対に注意しておきたいのが、糖分を多く含む食べ物についてです。
糖分を多く含む食べ物は、歯周病菌が増殖しやすい環境を構築してしまいます。
代表的なものでは、チョコレートや飴などのものです。
こういった食べ物を食べた場合には、しっかりとセルフケアをすること、食べ過ぎないようにすることが重要となります。

歯周病を防ぐには、日頃からの意識が大切となりますので、毎日の食事からしっかりと意識しておきましょう

まとめ

女性は男性よりも歯周病のリスクが高いと言われています。
その理由は、女性ホルモンの関係です。
妊娠中や更年期などホルモンバランスが変化する際に注意が必要となります。
また、歯周病を防ぐためには正しいセルフケアや定期健診、禁煙や食生活の見直しなどが効果的です。
歯周病を防ぐためにも、しっかりと意識しておきましょう。

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この記事の著者

院長・歯科医師 西本雅英

院長・歯科医師 西本雅英

略歴

平成2年

大阪大学歯学部卒業
SJCDベーシックコース修了
藤本研修会補綴コース修了
MSPDマイクロスコープコース修了
SJCDマイクロスコープコース修了

平成9年4月

西本歯科医院開業
所属学会

日本歯科審美学会

大阪大学歯学部同窓会学術委員会副委員長

日本顎咬合学会

日本歯科無痛治療協会

日本顕微鏡歯科学会

アートオブデンタルエステティック

京阪神咬合臨床研究会